“手の外科”は整形外科の中でも、主として肩関節から手・指までの上肢の疾患を専門的に治療する診療科目です。本格的に手の外科を習得するのなら、日本手の外科学会 入会を検討するべきでしょう。学会独自の専門医制度があるので、要綱を理解しておく必要があります。
各種の外傷による骨折・脱臼はもとより筋肉・腱断裂、神経・血管損傷、手・指・前腕部の痛みやしびれ( 知覚・運動麻痺)、変形、機能障害などをきたす疾患まで多岐にわたります。 “手の外科”では、これらの疾患の診断・治療・リハビリテーションを行います。
手の外科は整形外科の中でも習熟するのが難しい分野のひとつです。広島大学名誉教授の津下先生の”私の手の外科”は、手の外科のバイブルと言ってよいでしょう。津下先生直筆のイラストが豊富で、非常にわかりやすいです。一流の外科医は絵も上手であることを強く感じます。
京都大学の上羽先生が執筆された書籍です。通常の解剖テキストでは描写しきれない、手の外科の詳細な解剖の知識を学ぶことができます。
手術に関しては一般では販売されていませんが、新潟手の外科セミナーのテキストも秀逸です。もし知り合いのツテで手に入れることが可能なら、是非入手することをお勧めします。
手の外科の手術ではサージカルルーペ(拡大鏡)は必須です。倍率は2.5~3.0程度が使用しやすいと思います。キーラー・アンド・ワイナー社製のルーペが最も有名です。